触感ブックレコメンド
協力:仲谷正史(東京大学、『触楽入門』著者)

[ 身近な触覚に気づく本 ]

  • 目であるく、かたちをきく、さわってみる。 マーシャ・ブラウン(訳:谷川俊太郎) / 港の人(2011)
    身の回りにある日常的な触感への気づきを促す本です。絵本作家マーシャ・ブラウンの絵本を谷川俊太郎さんが翻訳しています。
  • 体は全部知っている 吉本ばなな / 文藝春秋(2002)
    心と体をテーマにした13の短編集。物語を読み進めるうちに、日常、慣れてしまった身体の声にもう一度耳を傾けてみようという気になります。

[ 身体性とデザイン ]

  • ファンタジア ブルーノ・ムナーリ(訳:萱野有美) / みすず書房(2006)
    著名なデザイナー、芸術家、詩人であるムナーリが、本書を通して私たちの想像力・創造力を刺激します。
  • 指を置く 佐藤雅彦、齋藤達也 / 美術出版社(2014)
    読むだけでなく体験する本です。グラフィックの上に指を置くと、指を引っぱられたり、指から何かが放射されているような、新しい認知が生じます。
  • 融けるデザイン ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論 渡邊恵太 / ビー・エヌ・エヌ新社(2015)
    「自己帰属感」をキーワードとして、これからのものづくりやインタラクションデザインのための、新しい発想法・設計法を紹介しています。

[ 身体、メディア、情報 ]

  • 生物から見た世界 ヤーコブ・フォン・ユクスキュル、ゲオルク・クリサート(訳:日高敏隆、羽田節子) / 岩波書店(2005)
    生き物は、それぞれの感覚器官で感じられる情報の中で、ひとつの世界(「環世界」)を作っています。本書は、生き物の世界像を知る旅に連れ出してくれます。
  • 新版 アフォーダンス 佐々木 正人 / 岩波書店(2015)
    心理学者ジェームズ・ギブソンが提唱したアフォーダンス(=環境が動物に提供する情報)理論についてのわかりやすい入門書です。
  • 精神と自然 ?生きた世界の認識論 グレゴリー・ベイトソン(訳:佐藤良明) / 新思索社(2006)
    本書は、物事の関係性から認識や情報を定義し、学際的な射程をもつ、人間の精神(こころ)に関する名著です。
  • 生存する脳 ?心と脳と身体の神秘 アントニオ・R・ダマシオ(訳:田中三彦) / 講談社(2000)
    本書では、人間の心と身体は強く結びついたものであることを脳科学実験で示しつつ、身体と心を結ぶ「ソマティック・マーカー」仮説を提唱しています。
  • メディアはマッサージである マーシャル・マクルーハン、クエンティン・フィオーレ(訳:南博) / 河出書房新社(1995)
    メディア(媒体)は、その物質性を通して身体に直接働きかけるものであることを「メディアはマッサージである」という言葉を通して伝えています。