[ 特集 ] リアリティ

1992年の論文[1]では、優れたバーチャル・リアリティのシステムを実現するためは、Autonomy(環境モデル)、Interaction(実時間相互作用)、Presence(環境への没入感)が重要であると述べられています。およそ四半世紀後、本号では、リアリティをテーマに4名の研究者・表現者にインタビューを行いました。そこでは、リアリティは目指される「目的」ではなく、人間の認識のあり方を問いかけ、人間と技術の新しい関係性を示し、人間と人間や人間と社会を深く接続するための「手段」となっているように感じます。
情報技術の発展は、存在するかもしれない未来を現実世界に重ね合わせることを可能にしました。リアリティとは、世界に唯一絶対的なものとして存在するのではなく、他人との関わりの中で生まれてくる、私たちひとりひとりの中にある相対的な世界像であるといえます。そして、このとき私たちが一つしか持つことのできない身体こそがリアリティの拠り所となるでしょう。

触覚コンテンツ専門誌 ふるえ 編集長
渡邊淳司(NTT コミュニケーション科学基礎研究所)

[1] Zeltzer,David(1992):Autonomy, Interaction, and Presence. Presence:Teleoperatorsand Virtual Environments, 1 (1) pp. 127-132.


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